OISEAU BLEU YAMAGATA

カフェ TREE 2017/09/09

曖昧(あいまい)の中に宿る光こそ成功への道標だ!

おはようございます。

オワゾブルー山形キッチンスタッフの福田千加です。

長袖に腕を通すも、まだ9月に入ったばかり、季節を先取りしすぎていないか?体感的にはまだ夏だぞ?いやでも9月の夜は冷えるし…長袖?半袖か・・と夏の終わりにアパレル的な名残惜しさを感じている今日この頃。皆様如何お過ごしでしょうか?

9月は暑いのか?5月は寒いのか?この問いを毎年空に向かって投げ掛けるも、いつも曖昧な感じになり答えが出ないまま32回目のこの季節を迎えようとしています。

それは乙女心と同じように移り気な9月の空がその曖昧感を醸し出しているのでしょうか?(何いってんだ?俺)

それはさて置き(おいおい)ワインの世界には美味しそうな言葉なのに曖昧な表現がいくつかあります。

よく耳にする「フルーティ」がそれに当たるとおもいます。個人的にですけどね。

この美味しそうな単語ですが、私供のご提案とお客様の求めている味とのギャップを少しでも埋めて満足して頂くための今回はフルーティとの切磋琢磨の話しから始まります。

フルーティとは「和訳:果実の風味」

ワインを説明する上でおそらく日本全国で1日80000回は使われているだろうこの単語。曖昧なんです。
曖昧でありながらも美味しそうに聞こえる単語なので私も多用してしまいますが、お客様から「フルーティなのが飲みたい」と言われたら、想像と解釈と予想と賭けを駆使してこのフルーティを攻略しなければなりません。

「いらっしゃいませ。本日はどのような感じにいたしますか?」

「じゃあ今日はフルーティなのがいいかな」

「かしこまりました」

(ここから始まりるのです)
・・・お客様はカシスやプルーンのようなどこか鉄分を感じるフルーティをお求めか?タンニン(渋み)は?強めで大丈夫かな…しかしお客様は全員女性だ。タンニンより酸味だ!プラムやブルーベリーのようなしっかりとした果実味の中に酸味を感じるフルーティはどうだろう?待て待て!お客様は4名様でお越しだ、2本以上飲まれる可能性がある。では一本目のプレゼンとして苺、ラズベリーのようなチャーミングで軽やかなフルーティの方が良いだろうか?
おいちょっと待て!白ワインもあり得るじゃないか??林檎香や乳酸由来の酸味が良いのか?又はグレープフルーツをかじった時の少しの苦味とシャープな酸味を伴うフルーティだったらどうか!?いやいや待て待て!!お客様は豚のスモークをオーダーだ、この豚の部位はコラーゲンと適度な脂肪が売りの肩ロース。では酸味が穏やかなフルーティさの方が良いのではないか?そうなると軽めの赤かアロマティック品種の白だ!
もっとヒントはないのか!?ヒントは!
・・そうだ!あの豚のスモーク料理は上質なメープルシロップを添えてお出ししている!ならばワインはそこに合わせてフルーティの中でも赤いフルーツを加熱してジャムのようにしたフルーティさを感じるワインが良いのでは!?
タイプでいえば……んー!ボジョレーヌーボーだ!
しかし今は時期が違う、落ち着け!もっと、もっと新しいアイデアは出てこないか??
…新しい?
新商品がある!マスカットベリーAだ!これならバッチリだ!
自信をもって勧められる!これだ!このフルーティこそ相応しい!なんだかテンション上がってきた!よし行くぞ!プレゼンするぞ!
落ち着けー!落ち着けー!
せーーの!

「お客様。ではこちらのマスカットベリーAを使った赤ワインは如何でしょうか?」

「いいかもしらないわね。それを頂くわ」

ゴクッ
「・・意外な組み合わせね。おいしいわ。」



こんな風に上手く行ったら良いなぁ、なんて想像をしながら仕事をしている今日この頃。
旧約聖書、アダムとイブが「禁断の果実」から英知を得た様に。我々もフルーティという「曖昧の果実」からでも学び、誰かの喜びに繋げようと切磋琢磨しているのです。っと言ったら大袈裟でしょうか?(少し自信無し気…)

魅惑と曖昧のフルーティの世界。ご興味は湧きましたか?(それ以前に長いわ)

さて長らくお待たせ致しましたがカフェTREEでは話題のマスカットベリーAを使った高品質ワインを取り扱う事になりました。
(すみませんワインの画像はまだですのでマスカットベリーAの房の画像で)
枝が赤いのがこの葡萄の特徴で赤が濃い方が糖度が上がります



マスカットベリーAとは日本固有の品種で山形は生産量、質ともに全国トップクラスです。
ヨーロッパ品種の様に力強さやガッチリした骨格があるタイプではないですが、キャンディやイチゴ、ゴボウの様な土の香りがある風情と愛嬌のある葡萄です。

美味しいですよ。是非お試し下さい。フルーティですから!(ドヤ)